最終話 新世界の神
そんなこんなで私は旧EW帝国の残党が母体となって運営されている「旧帝国系クラブ」の中でもとりわけ代表格たる神聖EnjoyD帝国へ入ることにした。
帝国軍と闘うレジスタンスを標榜していた私が帝国入りするというまさかの事態。
「ついにあのチャーリーまでもが体制側に取り込まれてしまったのか」
と言った悲観的な意見も散見されたが、そうではない。
かつての悲願であったEW帝国打倒をやっとの想いで実現したその直後、新たに3つの帝国系クラブが生まれてしまったように、武力では真の解決は見込めない。ではどうするか?帝国が無くならないのであれば、内部から帝国そのものを変えてしまえばいいのである。
「帝国に変革をもたらす」
それこそがこの私に課せられし新たなる使命なのだ。
〜皇歴2018年夏(現在)〜
計画は至極順調に推移している。
この私が帝国入りしてからというもの、レジスタンス時代では一度たりとも成し得なかった100連勝以上を3回達成し、更には3期連続アジア勝率1位に輝くなど、既にめざましい戦果を収めていた。
素晴らしい・・・!実に素晴らしいぞこのパワー!!
想定を遥かに上回るこの圧倒的な戦力を以ってすれば、我が野望たる世界征服も容易に実現可能であろう。
いつの時代も民衆はただただ愚かで同じ過ちを繰り返す豚でしかない。ならば我が帝国が直々に支配し徹底したディストピアを構築していくことで民衆共を管理教育していくしかないのだ。
まもなくだ・・・。我が計画によると、もうまもなく現皇帝陛下の御身は何らかの不幸に見舞われることになっている。
そのとき、次期皇帝としてこの私が世界に君臨することとなるだろう。
「争いのない平和な未来」はすぐそこまで来ている。
FIN