<ファイナルミッション> 帝国補完計画を発動せよ!!
オンラインゲーム関係のSNSを利用していれば、フリスタに限らず様々なゲームのギルド脱退報告を目にする機会は多いと思う。そしてそこにはお決まりのように「最高のクラブでした!」的な謝辞が述べられており150%美化された美談が綴られている。
しかし私を含む一定以上の知的生活者からすればそのような嘘と欺瞞に満ちた噴飯ものの妄言を見るたび失笑を禁じ得ないだろう。もちろんリアル生活の都合で辞める場合等は除くが、そうではない場合、さらに言うとやめた直後に別クラブに移籍しているケースなどは、その脱退者は元いたクラブに不満があったから辞めたに決まっている。
もちろん大前提としてクラブを辞めることも、移籍することも別に悪いことでもなんでもない。むしろ所詮ゲームなんだから合わないと思ったら自身の負担になる前にさっさと辞めるべきだと私は考えている。
そう、悪いことではない・・・にもかかわらず人々はわざわざ「最高だった」などと「優しい嘘」をつき表面を取り繕おうとする。なぜか?その理由自体もわかる。クラブを辞めてからもそのゲームを続けていくのであれば、誰しも余計な揉め事や人間関係の悪化は極力避けたいものだ。
しかし「そのゲームを続けない」という選択を取るのであれば、やめるついでにぶっちゃけた本音トークをしちゃっても良いのではないか?私はそのような迷惑千万な立ち回りをする身勝手極まりないクソ野郎の出現を密かに期待していたが、今日に至るまで現れてはくれなかった。ならば私がその役目を果たしてみようではないか。
帝国きっての参謀とまで呼ばれた、あのチャーリー山岡が帝国をやめる。ご察しの通り円満にやめたわけじゃないし、悔しい思いもある。このままでは地縛霊化は不可避である。ならばせめて、なぜそのような経緯に至ったのかを事細かに記し、立つ鳥跡を濁しまくって憂さを晴らし書き逃げして気持ちよく終わろうと思う。
そもそも悪の帝国軍と闘う正義のレジスタンスを標榜していた私が帝国軍に参画した最大の目的は帝国を内部から変えるためである。が、それと同時にその目的が達成できなかったときには当初の予定通り滅んでもらう必要があった。だから私は帝国の更生を促しつつも、あらかじめ「更生できなかった」ケースをも想定し、様々な策を凝らしてきた。
そしてその代表的な施策として「帝国タカ派の立場をとり続けること」が挙げられる。
帝国タカ派とは「帝国兵たるもの実力は勿論のこと、人並み以上の知性と品格を身につけておくべし」というクソみたいな思想である。
この手記を読んでいる人の中に、勇気を振り絞って帝国入りを打診してみたにもかかわらず断られたかわいそうな人がいたり、あるいは入れたはいいがそれまでに妙に時間を要した人がいるとすれば、その原因の何割かは「品格不足」だのと理由をつけて私がその人物の帝国入りを反対していたからである。
なぜそのような立ち回りをする必要があったのか?その理由は大きく分けて2つある。
理由その1。
「山岡への依存度を上げること」
最大の目的が帝国の更生である以上、この私が陛下の側近という立場から帝国全体を掌握し、事実上の支配者となる必要があった。その為には有望な人材はむしろ枯渇している方が望ましい。
そしてちょうど同時期にbf、まるみ、せんと等の帝国を代表する五賢帝たちがいなくなり、他の帝国兵たちも飽きたりしてフリスタをしなくなっていった。すると帝国内での私というプレーヤーへの依存度はごく自然な流れで相対的に上がっていき、私の思惑通り「チャーリー山岡」はその立場を強めていくことになった。
ここまでは「帝国内における山岡への依存度を上げたい」という当初の私の目論見通りの展開だった。そうして帝国兵が枯渇していった結果、帝国内での募集に私が手をあげないとなかなか3パが成立しなくなっていったのだが、ここで想定外の事態が発生する。
このとき既に私もフリスタに飽きていたのだ。
もう全くもってフリスタがしたくないし見たくもない、というわけでもなかったのだが、少なくとも以前のような、毎日のようにフリスタがしたいという欲求はすでに消え去っており、週2.3回やれればいいし疲れているときは極力したくないみたいな感じになっていた。
とはいえ私がクラブ内募集に手をあげないと固定が成立せず漂流してしまう可能性は大。それはそれでなんだか気の毒だと思ってしまい、そういったことが無視できない性質である私は、その低い気力にムチを打ち極力クラブ活動に参加するようにしていた。
しかしそこでもまた追い討ちをかけるように私にとって更なる想定外の事態が発生することになる。
まるみ君を筆頭とした五賢帝たちがいなくなり帝国全体が弱体化したことで、残った五賢帝たち、中でも特に優秀だったA氏(仮)は、所詮は「裏五賢帝」でしかないこの私「チャーリー山岡」に、更なる上の五賢帝クラスのパフォーマンスを要求するようになっていたのである。
あくまでも山岡というプレーヤーは帝国軍の中では頭脳戦に特化した指揮官タイプのプレーヤーであり、戦士としても一般的にみれば優秀な部類ではあるものの、帝国兵の水準からすればそこまでの戦闘力を有しているわけではなかった。イメージ的にはルルーシュの知能を有したクリリンみたいな存在である。
そのクリリンにいわばスーパーサイヤ人たる五賢帝クラスの活躍を期待したところでそれは無謀というもの。しかしA氏はそんなクリリンたる私に「なぜこの程度のことが出来ないのか、なぜお前はスーパーサイヤ人になれないんだ」と叱責するようになっていった。
そもそもフリスタ自体をあまりしたくないのに、なんとなく彼らがかわいそうだからという理由で仕方なく参加している私に対するこの仕打ち。まあそんな事情はA氏には関係ないし、頼まれてもいないのに無気力状態でプレーする私に落ち度がある。さらに言えばそもそも帝国の人材が枯渇したのは私のタカ派としての立ち回りが多分に影響した結果であるので言わば因果応報、自業自得である。
それでも、身勝手を承知で訴えたかった。あるいは陛下配信などでもそのシーンを目撃したギャラリーもいるかもしれないが、ある時期から、私が何かヘマをしてA氏に「こういう風にすればいい」と教えられた後「理解したならちゃんと返事をして」「わかりましたか?」と叱られ、そこで私がはっきりしない煮え切らぬ返答をして更に叱られる、という毎度お馴染みの流れが繰り返されるようになっていたのだが、なぜ私がそのような態度を取っていたかわかるだろうか?
それはそこで「はい!」とハッキリした返事をしてしまうと、その瞬間に2人の間で「上下関係」が成立してしまうからに他ならない。
私は、クラブ内で自分より上手なプレーヤーには私にとって「頼れる仲間」であり、あくまでも対等であって欲しかった。しかしA氏は私の「先生」であろうとしたのだ。
いつしか帝国内においては「先生役」と「生徒役」という2つのロールが割り当てられ、私は「出来の悪い生徒」というスクールカースト最底辺の役割を演じる羽目になっていった。
元々は帝国の支配層となる、言わば「帝国王に、俺はなる!」と意気込み、カーストの頂点を目指していたはずだったのに・・・こんなはずではなかった。
カースト最底辺の立ち位置が確定した私には当然ろくな帝国ライフが待ってはいなかった。
「山岡さんは他人の配信をみないから上達しない。ちゃんと見て学びなさい」とA氏に言われて仕方なく陛下配信を見てみると、そこでは幾度に渡り「今のプレー、山岡さんだったら〇〇(もっと下手なプレー)してたよなw」みたいな陰口が叩かれていてひどく傷ついたことがあった。
また、あるときは苦手な並列処理が要求されるゲームに深夜から早朝に渡って無理矢理つきあわさせられて、私が役に立たないことなど最初からわかっていたはずなのに、チームのお荷物であることを朝まで数時間に渡って延々と罵倒され続けるなんてこともあった。
このようにして帝国からの、とくにA氏からのパワハラはとどまる所を知らなかったが、ではやはり私は「A氏のことをすごく憎んでいたのか?」というと、少なくともその時点ではそうではなかった。よく某所に書きこまれているような「山岡とA氏の不仲説」は実は必ずしも正しくないことを明記しておきたい。
というのも、私は私でA氏を利用している部分が多々あったのだ。私が2年近くもフリスタを続けた最大の理由は「他ゲーより勝てるから」であり、より正確には「勝たして貰えるから」であった。基本的にA氏と組んでいれば私は隅っこの方でウロウロしているだけで勝手に相手が死んでいた。
A氏の口うるさい部分については、私自身に「ラブコメの主人公のような突発性難聴を抱えている」という適当に20秒くらいで考えた設定をつけ加えることで回避をはかった(あまり回避できてなかったが)。結果、私はA氏と組むことで銀田などをはじめとした全ての強固定に恐らくトータルで勝ち越していたし、ある程度良い思いもさせて貰っていた。
このように、基本的にA氏と組むことには私にとって一定のメリットがあり、またA氏にとっても「山岡という気軽に罵倒してストレス解消に利用しても文句を言ってこない便利なアイテム」を手に入れることができ、ある意味では双方にwin-winの関係、言わばガス生命体アイのような欲望の共依存とでもいうべき関係が築けていた。だから私はA氏のことは当然のようにクソ野郎とは思っていたが、言われている程には不仲ではなかった。
むしろA氏以上に私を悩ませていた存在がある。それがB氏である。
B氏を評するのは非常に難しい。一般的に約8割の人がクソ野郎と評するであろうA氏と違い、B氏はむしろ8割の人が「良い人」と評するであろう人物である。A氏を「わかりやすい悪」とするなら、B氏は「わかりにくい悪」であり、いわば対チャーリー専用兵器とでもいうべき存在であった。
そんなB氏を私がクソ野郎だと思った理由、それはB氏が私という人間を常に見下していたからである。
私とB氏は、所詮リアルで会ったこともないよく知らない間柄であるはずなのに、B氏は私という人間をフリスタプレーヤーとしては勿論、リアル社会に生きる1人の人間としても何故だか常に見下している感じで接してきて、私のことを34歳で真性童貞の魔法使いと勝手に決めつけ哀れんでくれていた。
過去に五賢帝会談でリアルの顔を他の五賢帝に晒したこともある私からすれば、B氏が考えているほど自分という人間、そして自分の人生がそれほど悲惨なものだと思っちゃいないし、別に自信がないわけでもない。例えば某元五賢帝にはカナダでの生活でオカズが不足したら私の顔写真を使用して良いと許可したほどだ。
むしろ私からすればフリスタプレーヤーとしてのB氏は他人を馬鹿にできるほど大して上手いとは思えなかったし、またリアルの生活についても、顔の1つも晒したことがない(彼は五賢帝ではないので五賢帝会談に参加したことがない)B氏から発せられる、某AV男優よりセクロスが上手いだとか、とある姉妹と3Pに発展しただのという自慢話は非常に空虚に感じられたし、社会的立場においても互いの職業などから推測すると年収なんかは私の方が確実に上だろう。
さらにB氏は今どきの若者には珍しく結婚至上主義なきらいがあって「30代で独身とかありえない」といった、私だけでなく全フリスタプレーヤーの8割くらいを敵に回すような、昭和家父長制の権化みたいな古い思想を嫌味たらしく私に聞かせてきたが、それについても私は自分の周囲にいる同世代の既婚者の中で今現在、幸せそうに見える人なぞ片手で数えるほどしか知らなかったので、いまいちピンとこなかった。
とにかくB氏については思うことはたくさんあったが、あまり喧嘩もしたくなかったし、帝国には団員同士のマジ切れはご法度の不文律があったのでずっと黙っていた。
そして黙っていた結果、オレスゲー!それに比べて山岡さんはなんかかわいそうですねwみたいな話をことあるごとに聞かされて、実に不愉快であった。
B氏にとって山岡という存在は、自分にどんな不幸が訪れたとしても確実にこいつよりはマシだなと再確認し、安心できる。そのためだけに存在する、精神的な意味でいつでもレイプしていいダッチワイフのような存在でしかなかったのだろう。その証拠に、私はpsnのパーティー上でB氏と2人きりとなっていたとき「僕はチャリさんのこと嫌いですよw」と、こうハッキリと言われている。
陰口などではなく、思っていることを本人と面と向かってハッキリ言える素晴らしい人物、などとは私は思わない。
「これほど過激なことを言っても相手がチャリさんなら怒らないだろうしさして問題にならないだろう」この言動の裏にはそういった浅ましい計算と思惑がその根底にあるからだ。
私が嫌いなのは仕方ないけど、ならば極力私に絡まないでくれ、一緒に遊ぼうとしないでくれ。私は心の中でそう願ったが、そんな願いもむなしくB氏は事あるごとに私に絡んできて、そのつど私を舐めきったような言動を繰り返した。
おそらく嫌いだからこそ馬鹿にして楽しむために近づいてきたのだろう。そのようにして、私の存在は常にB氏から見下され、精神的な意味で凌辱され続けた。
一応帝国にはA氏やB氏以外の人材もいたのだが残念ながらフリスタへの意欲は低く、私が帝国でフリスタをするときの98%は最低でもA氏かB氏のどちらかと組むしかない状況になっていた。
ゆえに私はそういった最悪な状況下の中でまだ比較的ベターな選択をすべく「A氏と違い組むメリットが見当たらない無いB氏とはなるべく組まない」ようにしていた。A氏もB氏も、ある時期から私がクラブ内募集をせずに3人目に手をあげる機械と化していたことに疑問を呈していたが、何のことはない。ただ単にB氏を避けていたのだ。
しかしそれでも回避に失敗してしまうことはあったし、なにより最悪なのはA氏B氏との3パである。
A氏が私のプレーを叱り、少し私が納得いかず不満そうにしているとB氏は「さっきのは山岡さんの態度が悪いよ」とすかさずA氏を立て、私にダメ出しした。基本的にB氏は私と同じく「生徒」のロールが与えられていたが、同時にA氏の子分であり腰巾着のような存在だったのだ。
以前に某氏がB氏のことを「プライドが非常に高い山岡さん」と評していたが、なるほど的を射ているかもしれない。
まあともかく、このようにしてA氏並びにB氏による私に対する陰湿な嫌がらせは多岐にわたって続いていった。
ゲームに200万もかけるという愚を犯したのだから、せめてそのぶん通常よりも楽しいゲームライフが待っていて欲しかった。しかし、現実にはある人間からゲーム中パワハラを受け続け、また別のある人間からは人として見下され馬鹿にされ続ける。そんな自分の人生がなんだか哀れで不憫でただただ悲しかった。
あるいは「そんなんだったらさっさと帝国をやめればよかったのに馬鹿だなあ」と思うかもしれない。しかしこのタイミングで辞めるという選択は、私にとって非常に重たいものなのだ。
なにせ帝国兵は枯渇しきっている。現状の主力たる私がやめてしまえば、もはや帝国は終わり。おそらく陛下は帝国を潰す選択をしてしまう。事実上、私の肩には帝国の存亡がかかっていたのだ。だから無責任に逃げ出すことなどとてもできなかった。
B氏をできる限り避けながらA氏とは我が固有スキルたる突発性難聴を駆使してうまくやっていこう。そう覚悟を決め、実際この数ヶ月はごまかしごまかしといった感じだが何とか我慢してやってきた。
A氏はあまりに不器用で空回りしてはいたが、もはやパワハラの域だったその口うるさい指導も、A氏なりに帝国を強くしたいとの思いがそうさせていた。なにより彼はある意味では平等だった。
A氏がパワハラを行なっていたのは私に対してだけではない。帝国内で生徒のロールを与えられた人間すべてに同様のことをしていた。私にのみ酷い態度を取り、A氏というボスキャラに寄生する雑魚モヒカンのような立ち回りをするB氏よりはまだ、あくまでも相対的にだが好感が持て、その人間性が理解できたのだ。
であれば私が真に憎んでいた人物、それはよく某所で書かれているようなA氏ではなく、B氏だったのだろうか?
それは少なくともその時点ではそうだった。
まだA氏とならやっていける。パワハラを受けても我慢してA氏についていこう。なにより私の肩には帝国の存亡がかかっている。
私はそう覚悟を決めた。
しかしここにきて、そんな思いを嘲笑うかのように、更に重い現実が私にのしかかる。
まだつい先日のことだが、我が盟友ジェムス(jamtetojam)が一足早くフリスタをやめてしまったのだ。
皇歴2017年夏、当時の私は誰からも目をかけてもらえず、野良専の生活にも限界を感じていて、もうフリスタをやめようと本気で思っていた。そしてまさにやめてしまうその寸前に私に目をかけ、拾いあげてくれた恩人、それがジェムスである。
その後カズさんと共に固定を組んで当時としては珍しかったスクダ戦法「かずりーん」を開発し、そのわからん殺しを武器に出場したデブス杯を勝ち取ったことは、非公式大会とはいえこれまでゲームの大会とつくもので優勝したことがなかった私にとっては忘れられない一生の思い出である。
そしてそのジェムスさえもがフリスタをやめてしまった。彼もまた、帝国では「生徒」のロールが割り当てられ、A氏から指導という名のパワハラを受け続け、私に度々不満を漏らすようになっていた。そしてついには限界を迎え私より一足先にやめてしまった。
この現実に直面した私は、自分が今まで積み上げてきたものがガラガラと音を立て崩れていった気がして、目の前が真っ暗になった。
もちろんいつかはゲームは終わるし、そうでなくともリアルの都合などでお別れの時はくる。ただ私はジェムスとだけは同じ別れるにしても円満な感じで笑ってお別れしたかったのだ。
私は、A氏の私に対するパワハラ以上に、ジェムスをあっさりと死に追いやったことへの怒りに打ち震え、同時にA氏についていこう等という思いは、このとき既に完全に消え去っていた。
それどころか自分の中で、あるドス黒い感情が芽生え急激に育っていくのを感じた。そう、帝国への復讐心である。そして同時にふと気付いてしまった。
「これはL5の帝国症候群だ・・・」
帝国症候群とはなにか?それについては私の前回の手記にて詳しく取り扱っているので参照いただきたいが、再度ごく簡単に説明すると「帝国バスケのレベルの高さに気後れし、疎外感を感じた帝国兵が、最終的に復讐心に支配されたメンヘラと化す奇病」のことである。
私は以前にある帝国兵がこの病を発症した際、2度と同じ悲劇を起こさないようにとの想いから対策本部を設置し、その本部長として独自にこの奇病の研究を進めていた。しかし、その私が帝国症候群のそれもよりによってMAXのL5を発症してしまうとは、まさにミイラ取りがミイラである。
この病の研究者であるが故に、その恐ろしさについては十二分に承知している。L5に達した時点でアウト。その精神は激しく汚染され既に常軌を逸しており目の前の全ての事象を悪く捉えてしまうようになる。もちろん一般的な精神治療による克服は不可能。開発を急いでいた更生プログラムはいまだ完成せずといった状況で、要するに詰みである。
私は観念し、ここいらが潮時であると察した。
結局、私には「力こそが正義、弱き者は強き者にただ蹂躙されよ」というEW時代から続く帝国軍の旧態依然の悪しき体質、歪みきった思想を変えるという当初の目的を達成することがついには出来なかった。むしろ知らぬ間に強きものが弱きものを支配する、その支配構造のパーツの一部に組み込まれていたのだった。
もちろん、足手まといのネタキャラ要員としてこのまま帝国にしがみつき、身内に馬鹿にされながらも他者には「俺様は帝国軍だ!」とイキリ倒す、そんな雑魚モヒカンキャラのような家畜同然の豚の人生を歩むこともあるいは可能かもしれない。しかし私はそんな生き恥を晒すよりは潔い死を選びたい。
そして、私が死を選ぶということは・・・。
さて、これまで随分と引っ張ってきたが、ようやくこのあたりで明かすことにしよう。私が頑なに帝国タカ派の立場をとり続けたもう一つの理由、それは
「帝国を弱体化するため」
である。私は以前から、私の手によって帝国の更生がなされたらそれが1番、しかしもし私が志半ばにして倒れるようなことがあれば、そのときには同時に帝国にも滅んでもらおうと考えていた。
そのためにはタカ派として振る舞い、人材を枯渇させておく必要があったのだ。
山岡という便利な奴隷を失った帝国の人材枯渇はもはや深刻なレベルとなる。おそらく陛下は帝国を潰すという選択を取るだろう。私はA氏やB氏はともかく、陛下のことは今でも別に嫌いじゃないし、むしろどちらかというと感謝している。
その陛下を裏切り、帝国を辞めることで、その結果として帝国は潰れ悲しい思いをさせてしまう。
帝国は私から人としての尊厳を、そしてジェムスを奪ったが、私もまた陛下から、彼が今まで育て積み上げてきた「帝国」を奪おうとしている。
究極の選択。自分が死んで同時に帝国も滅ぼすか、あるいは我慢して続けて帝国も残すか。私は、帝国を生かすも殺すも全ては自分次第という究極的な状況に置かれていた。
そしてついに私は選んだ。
自分が死に、帝国も滅ぼすことを。
やはり私にとって帝国とは、陛下を中心に、bf、まるみ、せんと君らかつてフリスタ界を沸かせた五賢帝たちによる神聖なるクラブであり、彼らが居てこその神聖EnjoyD帝国なのだ。チャリ岡だのA氏だのB氏だのが勝手に私物化していいクラブじゃない。
私が恐れ、憎み、そして同じくらい愛した、そんなかつての帝国は残念ながらもう戻ってはこない。
ならば、もう終わってもよいのではないか?帝国は、これ以上われわれのようなどこの馬ともわからん連中が土足で踏みにじっていいような場所じゃないのだ。
だから、帝国が変わりきってしまう前に帝国を終わらせ、せめて人々の記憶の中で伝説のクラブとして永遠に生きてもらおう。
それが私、帝国裏五賢帝チャーリー山岡の、帝国兵としてのファイナルミッション。
その名も「帝国補完計画」だ。
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こうして、私は帝国をやめた。そしてやはりほどなくして帝国は滅亡した。無事に帝国補完計画は完遂したのだ。
いかなる理由があろうと1つの国家を滅亡させた、その直接的引き金を引いたのは間違いなく私である。
だから私はその代償を払わなければならない。ゆえに私は200万かけたフリスタをひとまず辞めようと思う。
まあ代償だのなんだのは抜きにしても、残念ながら私はとうの昔にフリスタに飽きている。1か月前からちょくちょく野良をやったりして帝国以外の活動もしていたが、とてもじゃないがこれを面白いとは思えなかった。残念ながら私にとって既にフリスタは自分を楽しい気持ちにさせてくれるアイテムではなくなっているようだ。
思えば初代フリスタも2年くらいでやめた。私にとってフリスタというゲームの耐用年数はせいぜい2年なのだ。
だから、もう終わりにしようと思う。
今後、私というスター亡き後のフリスタ界がどうなるのか、そして私という貴重な財源を失ったジョイシティ社がどうなってしまうのか、それは誰にもわからない。
人々を恐怖のどん底に突き落とした、かの帝国軍は滅んでも、その先に本当に平和な世界が待ち受けている保証だってない。
そう、未来は誰にもわからない。
だが、もしフリスタ界に帝国をも超える更なる巨悪が台頭するようなことがあれば、私は地獄の底から蘇り、再び巨悪との終わりなき闘争に身を置くことになるだろう。その時のためにしばしの間、私は眠りにつくことにする。
それでは、フリスタ界の恒久的な平和と繁栄を心より願う。
皇歴2019年1月11日
元神聖EnjoyD帝国裏五賢帝
元過激派カルト組織チェリージャムCEO兼初代唯一皇帝
元フリスタヴィラン連合最高評議会議長
チャーリー山岡より。